概要
当院は、日本肝臓学会認定施設であり、複数の肝臓専門医が在籍しています。知識・経験豊富な肝臓専門医による肝炎外来を行っております。肝臓がん・肝硬変の原因の多くは、ウイルス性肝炎です。B型肝炎・C型肝炎といった、ウイルス性肝炎の治療を適切に行うことで、肝臓がん・肝硬変の予防につながります。
特徴・特色
肝炎は自覚症状がほとんどありません。従来、母児感染や輸血による感染が原因といわれてきましたが、原因がはっきりしないものもありますので、一度は肝炎ウイルス検査を受けることをお勧めします。
ウイルス性肝炎の治療は近年飛躍的に進歩し、副作用の少ない治療が行えるようになりました。
かかりつけ医や健康診断等で、B型肝炎・C型肝炎の指摘をうけた方は肝炎外来へご相談ください。なお、診療は予約制となりますのでお問合せください。
ウイルス性肝炎の治療は近年飛躍的に進歩し、副作用の少ない治療が行えるようになりました。
かかりつけ医や健康診断等で、B型肝炎・C型肝炎の指摘をうけた方は肝炎外来へご相談ください。なお、診療は予約制となりますのでお問合せください。
診療実績等
B型肝炎
病態と症状
B型肝炎ウイルス(HBV)が血液・体液を介し感染することで起こります。HBVは一過性の感染で終わるもの(一過性感染)とほぼ生涯にわたり感染が継続するもの(持続感染)があります。
急性肝炎と慢性肝炎に分けられ、急性肝炎では感染して1~6ヶ月の潜伏期間を経て、全身倦怠感、食欲不振、吐き気やむかつき、嘔吐、褐色の尿がでたり、黄疸(皮膚や目が黄色くなる)などが出現します。中には、激しい炎症を起こして生命を脅かす状態(肝不全)になることもあります。一般には、数週間で回復することが多いです。
慢性肝炎は、出産時や乳幼児期に感染し、その後も持続的に感染するケースです。思春期以降の10~30代に一過性の肝炎を起こした後は、症状が安定する方がほとんどですが、1~2割の方において慢性の肝炎が持続し、その中から肝硬変や肝がんになることもあります。
B型肝炎の検査は、採血をしてウイルス検査を行います。肝炎を引き起こすウイルスを持っているか、ウイルスに対する免疫機能があるかなどを調べます(HBs抗原・抗体検査、HBe抗原・抗体検査、HBV-DNA検査)。検査により一旦は肝炎のおそれがないと診断された場合でも、徐々に進行して肝硬変になったり肝がんが発生することがありますので、定期的な血液検査、CT検査、超音波検査が必要です。
急性肝炎と慢性肝炎に分けられ、急性肝炎では感染して1~6ヶ月の潜伏期間を経て、全身倦怠感、食欲不振、吐き気やむかつき、嘔吐、褐色の尿がでたり、黄疸(皮膚や目が黄色くなる)などが出現します。中には、激しい炎症を起こして生命を脅かす状態(肝不全)になることもあります。一般には、数週間で回復することが多いです。
慢性肝炎は、出産時や乳幼児期に感染し、その後も持続的に感染するケースです。思春期以降の10~30代に一過性の肝炎を起こした後は、症状が安定する方がほとんどですが、1~2割の方において慢性の肝炎が持続し、その中から肝硬変や肝がんになることもあります。
B型肝炎の検査は、採血をしてウイルス検査を行います。肝炎を引き起こすウイルスを持っているか、ウイルスに対する免疫機能があるかなどを調べます(HBs抗原・抗体検査、HBe抗原・抗体検査、HBV-DNA検査)。検査により一旦は肝炎のおそれがないと診断された場合でも、徐々に進行して肝硬変になったり肝がんが発生することがありますので、定期的な血液検査、CT検査、超音波検査が必要です。
治療
・インターフェロン(IFN)療法
インターフェロン製剤を注射し、ウイルスに対する免疫を高めることで、ウイルス量を減少させます。筋肉注射・静脈注射のインターフェロン製剤と、週1回皮下注射するペグインターフェロン製剤が使われます。インターフェロン療法の効果があると、注射をやめてもウイルスが増えることなく肝炎は鎮静化します。効果がでない場合は、再度ウイルスが増えることもあります。インターフェロン療法の副作用は、最初にインフルエンザにかかったときのような発熱・全身倦怠感・関節痛・筋肉痛がよく認められます。また白血球、血小板、まれに赤血球の低下が起こります。これはインターフェロンが血球を作る骨髄の働きを抑えるためです。インターフェロン療法中にうつ病になる患者さんがまれにいますので、うつの傾向があれば医師に相談して下さい。
・核酸アナログ製剤
直接、薬の力でウイルスの増殖を抑えて肝炎を鎮静化させます。薬を飲んでいる間はウイルス量は低下し、肝炎は落ち着きますが、IFNと異なり、薬を中止すると肝炎が再燃することが多いです。一旦、内服を開始してから途中で飲むのをやめてしまうと急に悪化することがありますので、自分の判断で服用を中止してはいけません。
インターフェロン製剤を注射し、ウイルスに対する免疫を高めることで、ウイルス量を減少させます。筋肉注射・静脈注射のインターフェロン製剤と、週1回皮下注射するペグインターフェロン製剤が使われます。インターフェロン療法の効果があると、注射をやめてもウイルスが増えることなく肝炎は鎮静化します。効果がでない場合は、再度ウイルスが増えることもあります。インターフェロン療法の副作用は、最初にインフルエンザにかかったときのような発熱・全身倦怠感・関節痛・筋肉痛がよく認められます。また白血球、血小板、まれに赤血球の低下が起こります。これはインターフェロンが血球を作る骨髄の働きを抑えるためです。インターフェロン療法中にうつ病になる患者さんがまれにいますので、うつの傾向があれば医師に相談して下さい。
・核酸アナログ製剤
直接、薬の力でウイルスの増殖を抑えて肝炎を鎮静化させます。薬を飲んでいる間はウイルス量は低下し、肝炎は落ち着きますが、IFNと異なり、薬を中止すると肝炎が再燃することが多いです。一旦、内服を開始してから途中で飲むのをやめてしまうと急に悪化することがありますので、自分の判断で服用を中止してはいけません。
C型肝炎
病態と症状
C型肝炎ウイルス(HCV)の感染により起こる病気です。感染すると7割の方が、生涯にわたり感染が継続する持続感染となり、慢性肝炎、肝硬変、肝がんへ進行する場合があります。肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、自覚症状がないまま病気が進むことがあります。現在日本では約100万人のHCV感染者がいると考えられています。その中には感染自体判明していない方や、分かっていても通院していない方が多いのが現状です。慢性肝炎、肝硬変、肝がん患者の6割がHCVに感染しており、年間約3万人が肝がんにより亡くなっています。
自覚症状がほぼないため、血液検査を受けて初めてC型肝炎にかかっていることが判明したり、すでに肝硬変になってからわかることも多いです。 慢性肝炎が肝硬変まで進行すると、手のひらが赤くなってきたり(手掌紅斑)、黄疸(皮膚や目が黄色くなる)がでたり、むくみやお腹に水がたまったり、血が止まりにくくなるという症状がみられます。
C型肝炎の検査は、採血によるウイルス検査です(HCV抗体検査)。HCV抗体が陽性だと一度感染していることを表しますが、現在も感染持続の状態なのか治癒しているのか分かりませんので、さらに精密検査として、HCV-RNA定量検査を行います。これが陽性の場合は、現在も感染状態であることを示しています。
自覚症状がほぼないため、血液検査を受けて初めてC型肝炎にかかっていることが判明したり、すでに肝硬変になってからわかることも多いです。 慢性肝炎が肝硬変まで進行すると、手のひらが赤くなってきたり(手掌紅斑)、黄疸(皮膚や目が黄色くなる)がでたり、むくみやお腹に水がたまったり、血が止まりにくくなるという症状がみられます。
C型肝炎の検査は、採血によるウイルス検査です(HCV抗体検査)。HCV抗体が陽性だと一度感染していることを表しますが、現在も感染持続の状態なのか治癒しているのか分かりませんので、さらに精密検査として、HCV-RNA定量検査を行います。これが陽性の場合は、現在も感染状態であることを示しています。
治療
DAAという薬を服用して治療します。
以前はB型肝炎同様に、インターフェロン(IFN)を用いた治療が行われていましたが、2014年から、C型肝炎ウイルスに直接作用する薬剤(直接作用型抗ウイルス薬:DAA)による治療が始まりました。高い確率でウイルスを体内からなくすことができます。インターフェロンの副作用に悩まされることなく、これまで様々な合併症でインターフェロンが使えなかった患者さんでも、短期間で安全に治療ができるようになりました。
以前はB型肝炎同様に、インターフェロン(IFN)を用いた治療が行われていましたが、2014年から、C型肝炎ウイルスに直接作用する薬剤(直接作用型抗ウイルス薬:DAA)による治療が始まりました。高い確率でウイルスを体内からなくすことができます。インターフェロンの副作用に悩まされることなく、これまで様々な合併症でインターフェロンが使えなかった患者さんでも、短期間で安全に治療ができるようになりました。
外来スケジュール
曜日 | 午前 | 午後 |
---|---|---|
月曜日 | ― | 阿部真久 15:00~ |
火曜日 | ― | 椿浩司 15:00~ |
水曜日 | ― | 松村寛 15:00~ |
木曜日 | ― | 阿部真久 15:00~ |
金曜日 | ― | 高安賢太郎 15:00~ |
土曜日 | 天木秀一 10:00~ | ― |
予約制です。お問合せください。