概要

前立腺肥大症や過活動膀胱などの排尿障害、前立腺がんや膀胱がんなど悪性腫瘍、膀胱炎などの尿路感染症の診断・検査・治療を行っています。尿漏れなど「年だからしょうがない」と思う方も多いですが、お薬でとめることもできますので、お悩みの方はご相談下さい。

特徴・特色

常勤医師(日本泌尿器科学会専門医)1名で診療にあたっています。外来診療は月曜日から金曜日まで、毎日行っています(手術のため休診になることがあります)。前立腺生検や内視鏡手術などの小手術は当院で行います。大きな手術が必要な場合は、提携病院をご紹介いたします。
患者さんお一人おひとりの症状をよく伺い、エビデンスに基づいた診療を心がけています。治療方針は各種ガイドラインに則った方法で、患者さんとそのご家族とよく相談のうえ決定いたします。手術治療についてはなるべく身体に負担の少ない方法をお勧めし、患者さんの生活の質の維持、向上を目指しています。
2024年5月より、 難治性過活動膀胱の方にボトックス膀胱壁内注入療法を開始しました。過活動膀胱に対しては生活改善や薬物療法による治療から行いますが、それらの治療で改善されない方、治療を続けることが困難でお悩みの方は、ご相談ください。

診療実績等

件数/検査・治療/提携病院

排尿障害

前立腺肥大症

病態と症状
肥大した前立腺が尿道を圧迫して、さまざまな症状を引き起こす男性の病気です。
(主な症状)
・夜間、何度もトイレに起きて眠れない
・おしっこの勢いが弱くなった
・2時間以内にまたトイレに行く
・おしっこをした後もまだ残っている感じがする
・途中でおしっこが途切れる
治療
検査をして前立腺肥大症と診断されたら、まずは薬物治療を行います。症状が進行した場合は内視鏡を用いた手術を行うこともあります。治療を受けずに悪化すると尿閉(おしっこが出なくなる)になることがありますので、早めに受診することをお勧めします。

過活動膀胱

病態と症状
さまざまな原因で膀胱が過敏な状態になっている病気です。
(主な症状)
・急におしっこに行きたくなっても我慢ができない
・トイレに行く回数が増える
・我慢しているとおしっこが漏れる
治療
早めにトイレに行く、便秘をしないようにする、身体を冷やさないようにする、など生活習慣を改善することで治る場合もあります。改善しないときは膀胱訓練などを行いながら薬物治療をします。それらの治療で改善が乏しい場合は「難治性過活動膀胱」と診断されます。難治性過活動膀胱の治療の選択肢として、ボトックス膀胱壁内注入療法があります。膀胱内に筋肉をゆるめる薬(ボトックス)を注射することで、膀胱の収縮を抑えることができます。健康保険が適用となる治療法です。詳しくは医師にご相談ください。

尿失禁

病態と症状
尿意を感じていないときに尿が漏れてしまう病気です。運動したり、くしゃみや咳をした際に尿が漏れる腹圧性尿失禁や、尿意切迫感とともに尿が漏れてしまう切迫性尿失禁、混合性尿失禁とタイプはさまざまです。
治療
薬物治療や骨盤底筋体操をすることで改善が期待できますが、重症の場合は手術を行うこともあります。

神経因性膀胱

病態と症状
さまざまな原因(脳梗塞、脊髄疾患、糖尿病、アルコール依存、ビタミンB12欠乏、椎間板ヘルニア、骨盤内手術後パーキンソン病)で神経がうまく伝達されず、自身での排尿が難しくなる病気です。
膀胱におしっこを溜めることができなくなり全失禁になったり、尿閉(おしっこが出せなくなる)になったりします。
治療
薬物治療での改善は難しく、膀胱にカテーテルという管をいれて尿を体外に出す方法(膀胱カテーテル留置)になることが多いです。このカテーテルの管理はご自宅や施設に入所中の患者さんでも可能です。

悪性腫瘍

前立腺がん

病態と症状
前立腺がんは文字通り前立腺にできるがんで、男性にのみ起こりえる病気です。早い時期にはほとんど自覚症状がありません。血液検査でPSAという腫瘍マーカーを測定することで発見できます。確定診断には前立腺針生検(2泊3日の入院をして頂き、麻酔をかけて前立腺の組織の一部を採取する検査)を行います。
治療
治療には手術、放射線、ホルモン投与などがあります。ホルモン治療は当院で行うことができます。手術療法や放射線治療を行う場合は提携病院をご紹介いたします。

膀胱がん

病態と症状
膀胱にできるがんで、男女ともに起こる病気です。血尿や頻尿、排尿時の痛みなどがあれば受診をお勧めします。膀胱がんには非浸潤性(根の浅い)のがんと、浸潤性(根が筋肉の層までおよぶ深い)のがんがあります。
治療
非浸潤性(根の浅い)のがんは当院で内視鏡による手術が可能です。浸潤性(根が筋肉の層までおよぶ深い)の場合は全摘出などの大きな手術が必要になることが多いので提携病院をご紹介いたします。

尿路感染症

膀胱炎、尿道炎

病態と症状
最も多くみられる尿路感染症です。排尿時の痛み、排尿後の痛み、頻尿、残尿感、血尿などの症状がある場合は早めの受診をお勧めいたします。
治療
症状が軽くなっても放っておけば再発しやすく、腎盂腎炎を起こすこともあります。抗生物質の服用で治ることがほとんどなので、きちんと治療しましょう。

腎盂腎炎(じんうじんえん)

病態と症状
腎臓の中で尿を一時的に溜めておく場所を腎盂(じんう)といいますが、この腎盂やその周囲の脂肪組織などが細菌に感染して起きる感染症です。症状としては発熱(高熱のことも少なくありません)、全身のだるさ、腰痛や尿の濁りなどがあります。
治療
多くの場合は抗生物質の投与で治りますが、細菌が血液の流れに乗って全身に広がってしまうと生命に関わるほどの重症になることもあります。また尿路結石が尿の流れを悪くしたために起きる腎盂腎炎の場合は、尿管にカテーテルを入れる緊急手術が必要なこともあります。

前立腺炎(急性・慢性)

病態と症状
急性前立腺炎は、尿道から侵入した細菌が尿の流れに逆行して前立腺に入り込み、感染して起こります。会陰部痛、排尿障害、倦怠感などの症状がでて急に発症します。重症になると高熱や倦怠感が現れ、細菌が血液の流れに乗って全身に広がってしまうため、早期の治療が必要です。
慢性前立腺炎は急性前立腺炎から移行することもありますが、原因がわからないこともよくあります。頻尿、残尿感、会陰部の不快感、射精痛などの症状が長く続きます。
治療
前立腺マッサージや、体外衝撃波治療(自費)なども行っています。

精巣上体炎(副睾丸炎)

病態と症状
精巣上体炎(副睾丸炎)は、精巣(睾丸)の横にある精巣上体(副睾丸)に、尿道や前立腺に侵入した細菌が精管(精子の通り道)を伝わって精巣上体に炎症を起こすことで、腫れて痛みが生じます。悪化すると高熱が出たり、陰のうが破れて膿が出てきたりしますので、他の尿路感染症と同じように早期の治療が大切です。
治療
抗生物質の内服または点滴を行います。

その他

尿路結石症

病態と症状
尿路結石症は尿の中に含まれる物質が腎臓の中で結晶を作り固形化したもので、尿路のどこかにつまって尿の流れが悪くなる病気です。結石のある場所によって腎結石、尿管結石、膀胱結石、尿道結石に分けられます。
治療
結石が小さい場合や症状(痛み、血尿、発熱など)が軽い場合は、水分をよく摂ることによって自然に結石を体外にだすことができます。結石が大きい場合や症状が強かったり、尿の流れがとても悪い場合には手術が必要になります。その際は提携病院をご紹介いたします。

件数/検査・治療/提携病院

手術件数

(2023年1月~2023年12月) 22件
経尿道的膀胱腫瘍切除術 11
前立腺生検法 10
包茎手術 1

当科で行っている主な検査・治療

・前立腺肥大症  : 尿流検査、前立腺エコー、残尿エコー、経尿道的前立腺切除術
・前立腺がん疑い : PSA検査、骨盤部MRI、麻酔下前立腺針生検
・前立腺がん    : ホルモン療法
・膀胱がん     : 尿細胞診、膀胱鏡検査、骨盤部MRI、経尿道的膀胱腫瘍切除術
・真性包茎     : 環状切除術
・陰のう水腫    : 水腫穿刺、陰のう水腫根治術
・慢性前立腺炎  : 前立腺マッサージ、体外衝撃波治療(自費)

提携病院

・東京大学医学部附属病院
・江戸川病院
・東京臨海病院
・東京都立墨東病院
・三井記念病院
・同愛記念病院
・山王病院

医師スタッフ紹介

小田 裕之
おだ ひろゆき

専門分野
山形大学卒
日本泌尿器科学会認定泌尿器科専門医

常に患者さんの全身に気を配り、丁寧でわかりやすい説明を心がけて診療にあたります。前立腺生検や内視鏡手術などの小手術も行っています。
非常勤

橋本 紘典
はしもと ひろのり

交通案内

住所

〒132-0031 東京都江戸川区松島1-42-21


バスでお越しの方

◆JR新小岩駅よりバス約8分
◆都営新宿線船堀駅よりバス約15分
◆東西線葛西駅よりバス約35分
◆東西線西葛西駅よりバス約30分
※バス停『江戸川区役所前』下車


お車でお越しの方

立体駐車場をご利用ください
詳しくは交通案内の詳細をご覧ください


MENU
ページトップへ